■自家採種と改良重ねて 大和三尺きゅうり 【村上 廣恭さん、宍粟市】 【宍粟市】「農薬を使わず、美しい姿のキュウリを作るにはどうすればいいか、試行錯誤の毎日だった」と話すのは、宍粟市千種町の村上廣恭(むらかみひろかず)さん(68))=キャベツやハクサイなど野菜40e、水稲50e。父の農作業を手伝っていた幼少期から「大和三尺きゅうり」の栽培に携わっている。 この品種は通常より2倍の大きさがあるため、戦後以来すし店で重宝されてきた。村上さんは、この種子を採取し、交配を重ねて改良をしてきた。 また、兼業農家の村上さんは、勤め先で知った福島県の堆肥がキュウリの生育に良く、納得のいく収穫ができるようになったという。 「採算は合わない時が多く、経済的に苦労することもあるが、孫がおいしそうに食べる姿や、直売所で自分の育てた野菜が完売しているのを見る時はうれしい」と話す。 今後は担い手不足の解消のためにも、採算の取れる農業を目指したいと意欲を示す。(相原裕磨)