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農業共済新聞(ひょうご版)

【平成28年8月2週号】

【加東市】日射制御型拍動灌水装置 宮野正幸さん

加東市山国でナス栽培をしている宮野正幸(みやのまさゆき)さん(63)は、拍動灌水装置を導入して給水作業の重労働を減するなど省力化を図っている。
宮野さんはナスを作り始めて2年目。1日3回を要する夏場の給水など大変な重労働を一人で行ってきた。
そんな時、宮野さんは所属する「たきのなす部会」の栽培研究会で、先進地事例として豊岡市のピーマン栽培に拍動灌水装置が使われていることを知り、加西農業改良普及センターの協力を得て、今年5月に装置を導入した。

天気に応じて流水量を増減
この装置は圃場への給水・止水を自動的に行うシステム。ソーラーパネルによる太
陽光発電で、送水ポンプとその制御装置を動かす仕組みだ。日差しが強い日には灌水量を増やし、曇りや雨の日は灌水量を減らしたり中止したりする日射制御型となっている。宮野さんは、2時間の日射で30分間灌水、そこから日射量に応じて変わるように設定している。
装置は直接、圃場内の貯水場所から水中ポンプで塩化ビニール管を通じて畑に送水するシンプルなタイプだ。ビニール管とつないだ幅1aのチューブを畝に沿って設置。チューブに20a間隔で開けた超微細な穴から水が点滴のようにぽたぽたと落ちる。これにより不必要な灌水や施肥の無駄を無くすことができた。

宮野さんは導入のメリットとしてナスの収穫量が格段に増えたことを挙げる。追肥も
粒状の硫酸カリウムを水で溶かして、貯水場所に投入するだけで、灌水と同時に行えるので、作業の効率化と肥料コストの削減につながった。
 
貯水場所への引き込みが地元水路からのため、地元が用水路の水を止めた時は灌水できないことがデメリットだ。
そのため、装置の監視に注意が必要になる。また、追肥は吸収しやすい苗の根元ではなく株元へ落ちるので、肥料の吸収速度が遅く、効果が出る
のが遅れるという。 
ナスは連作障害が出やすいが、装置導入後は圃場を変えて作付けできないなどの問題もある。それでも装置の導入コストを考えても省力効果は大きく、メリットの方が格段に大きいと感じている。
 
現在、水田22eのうち10eをナスに転作しているが、宮野さんは「今後は装置を増設し、ナスの作付面積をもっと増やしていきたい」と話す。
(玉井貴計)

日射制御型拍動灌水装置を説明する宮野さん

■【たつの市】肥料散布機「筋まき太郎」 岡本武司さん



岡本武司さん(71)は、たつの市神岡町で水稲や麦などを栽培する追分営農組合長だ。家業は精密機器製造業の潟Iカモト機器産業の代表取締役会長で、「とにかくモノづくりが大好き」と話し、その技術を生かして営農組合の要望に応えたアイデア農機具を製作する。園芸用ホースの収納用巻取機が好評で、ビニールシート洗浄機は特許を取得している。
「施肥の時に雑草にも飛散し、米や麦より雑草が大きくなる。肥料の無駄、除草作業のロスをどうにかできないか」との問題意識から新たに取り組み製作したのが、乗用肥料散布機「筋まき太郎」だ。
製作に当たっては農作業の労力を軽減するため乗用であることや、低コストであることから乗用田植機をベースにすることを念頭に置いた。

散布角度の調整可 従来より肥料節約
植付用アームの代わりにすじに合わせて、施肥が可能な機能を付けた。田植機本体の動力を使い、ボールジョイントで回転させ、肥料箱のスクリューシャフトで肥料を圃場のすじに落とす。
 
すじまき用散布パイプは角度調整が可能で、施肥量も肥料箱ごとに散布量調整用落下孔で変更できる。これによって圃場へ均一に散布が可能となった。
 
最大のメリットは肥料の節約だ。すじごとに必要な範囲で散布するため、従来の散布方法と比べて約25〜30%の肥料を節約できる。法人化や集落営農など経営規模が大きくなる中で、コストダウンに与える影響は大きい。
 
筋まき太郎は製作に3年、改良に1年を費やし、2016年3月に、ようやく完成した。岡本さんは「実際現場で働く農家であるからこそ、かゆいところに手が届く農業用
機械を作ることができる。これからも作業の効率化やコストダウン、作業のロスカットなどを目的に改良を重ねたい」と意欲を見せる。

(足立 尚)

筋まき太郎と岡本さん

■【西宮市】伝統野菜「大市ナス」 仲間増やし作付け拡大へ

西宮市段上町で農業を営む松山嘉次(まつやまよしつぐ)さん(76)は、地元の伝統野菜「大市ナス」の栽培に取り組んでいる。
このナスは明治時代に市内の大市地域で、油障子を活用した苗の早期簡易育苗法が開
発されて普及したもの。実は柔らかく、煮ても焼いてもおいしい。

だが、昭和10(1935)年ごろに病気がまん延したことから栽培面積が徐々に減
少。現在は市内で数軒が栽培を行う程度だ。
 
松山さんは10年ほど前から、このナスの生産に取り組み、JAの直売所で販売を始めた。当初は見た目が他のナスに劣る分、売ることに苦労したという。
 
現在では、地元の伝統野菜として、味とともに認知度が高まり、売れ残りがないほど好評を得ている。「他の農家にも栽培が広まり、栽培面積が増えることを楽しみにしている」と松山さんは話している。
       
(守屋貴幸)

大市ナスを収穫する松山さん
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