「5年後の安定生産を目標に、今はいろいろと試したい」と話す多可町の吉仲康二(よしなかこうじ)さん(39)は、脱サラし、認定農業者としてトマト栽培に打ち込む。 以前はサラリーマンをしながら、父の農業を手伝っていたが、20代後半に新規就農を決意し会社を退職。2013年9月から1年間、加西市の兵庫県立農業大学校で学び、卒業後に専業農家となった。当初は父と一緒にタマネギやニンニク、季節の野菜などを栽培。農業大学校で研修し、自身も大好きなトマト栽培を始めたいと利用できる補助金を調べていたところ、県の農業施設貸与事業に目が留まり、ハウスを建設した。そのハウス内で、甘味がありメジャーな品種「桃太郎ファイト」を栽培している。 トマト栽培の1作目は成功するも2作目は失敗。「ベテランは経験あっての勘。自分の勘だけでは成功しない」と痛切に実感し、パソコンを活用してハウス内の温度や照度、湿度などの細かなデータ管理を図るようになった。近隣にトマト部会がないため、兵庫県の同年代のネットワークや農業大学校のつながりを積極的に生かして、生産に取り組んでいる。(岡本竜弥)