谷口佳広(たにぐちよしひろ)さん(19)は早朝から県立農業大学校の牛舎で肉用牛の世話をして汗を流す。「但馬牛の繁殖・肥育の一貫経営を目指して、実家の畜産規模を豊岡市で最大級にしたい」という。 実家は繁殖牛50頭を飼育。幼少時から牛に親しみ、父の背中を見て育った。卒業後は肉 用牛の一貫経営を行う農家の下でノウハウを学び、ゆくゆくは実家で実践したいと将来を 見据える。 入学当初は給餌や除ふん作業の当番で早朝に起きることが、つらかったという。うれしかったことについて「肥育した牛8頭中5頭がA5ランク、残りもA4ランクと非常に高い評価を受けたこと」と話す。日頃のブラッシングや給餌などの管理が肉質にも影響するため、肥育にやりがいをとても感じたという。 農業大学校では「肥育牛におけるビタミンA投与間隔が但馬牛に与える影響」を研究している。肥育牛には体を作る時期と肥えさせる時期があり、ビタミンの投与間隔から理想の肥育を目指しているという。 指導に当たる大塚義和農業教育専門員は「日頃から牛への観察眼が鋭い。家畜人工授 精師資格もぜひ取得し、活躍してほしい」と話している。