【三田市】日本の農業従事者が高齢化し、担い手が不足している中、三田市 尼寺(にんじ)の原田真司(はらだしんじ)さんは農業未経験でありながら、イチゴ農家として昨年就農した。 原田さんはハウス4棟約10eでイチゴの高設栽培に取り組む。雇用就農や研修などを経て2015年9月ごろに独立した。 学生時代に自然に携わる仕事をしたいとJA兵庫六甲に就職したが、自ら農作物を作付けしたいという思いが日に日に強くなった。 手を抜けばそれなりのものしかできないということを理解し、「全て自分の責任で仕事ができる」「やり方次第でもうかる」と積極的な思いから就農の道を選択した。新規就農者にとって農地確保と作物の販売先確保のハードルは高いが、原田さんは雇用就農中に近隣の人と知り合い、農地を借りてイチゴ栽培を始めた。 品種は「紅ほっぺ」 イチゴ栽培を選んだ理由は作付けだけでなく、イチゴ狩りを行う観光農園やイチゴの加工など、さまざまな販売ルートが開拓できるのが魅力的と感じたためだ。品種は「紅ほっぺ」を選択。大粒で食味が良く、香りが柔らかいところが研修中に気に入った。観光農園でも人気が高い品種という。 原田さんの一日は、夜中から明け方にかけて収穫作業、朝からはパック詰め、昼は配送作業や栽培管理と忙しい。繁忙期には連日、睡眠時間が2〜3時間と過酷だが、「やりがいを感じている」と話す。 同じ品種でも収穫する日や植えている場所によって、日当たりも温度も異なるため、味が違ってくるという。出荷先の直売所では対面販売を行い(12月〜3月)、消費者の声を直接聞き、リピーター拡大や品質向上に努めた。 ハウス内の環境で収量や味が変化するため、計測機器のデータを小まめにチェックするなど注意を払う。 県阪神農業改良普及センターの普及指導員は「原田さんは収穫量や品質などの向上に 研究熱心。従業員に対する労務管理もうまい。農家研修の経験を十分に生かし、レベルの高い取り組みをされている。今後も期待しています」と話す。 原田さんは品質向上のため技術を取得しつつ、経営感覚を磨く。 ▽ホームページ= http://harada15.com