佐用町の「南光ひまわり館加工グループ(メンバー8人)」では、観光資源として活用したヒマワリから搾油したひまわり油を特産品として製造・販売し、人気を得ている。 現在、ヒマワリの町として知られている佐用町。1990年に地元集落からの発想で、休耕地の有効活用として4fでヒマワリ栽培に取り組んだ。一斉に開花したヒマワリが見事な景観となり、たくさんの人が訪れ、マスコミにも取り上げられた。そのヒマワリを生かした特産品を開発しようと、翌年からひまわり油の搾油を開始。95年には「南光ひまわり館」がオープンし、ひまわり油の本格的な生産が始まった。ヒマワリは全て無農薬で栽培され、間引きや中耕、土寄せなどの管理を行う。今年は25・8fに約130万本を作付けした。収量は10e当たり30`程度で、収穫した種は乾燥調製後に搾油する。油の作り置きはせず、常に新鮮な状態で提供することを第一に、必要量に応じて搾油する。塩素系の薬品で種の皮を溶かす作業効率の良い抽出法ではなく、薬品を使用せず栄養分が失われない昔ながらの圧搾法で行う。そのため、全国でも数台しかないという圧搾機を導入した。種の選別はメンバーが手作業で行う。手間と時間はかかるが、油の良しあしを決める重要な作業だ。選別した種からは重量の20%程度の油が採れる。搾りたては黒ずんだ色で、分離・湯洗いを繰り返し、選別から約2週間の工程を経て黄金色に輝く油が完成する。1本の製品(280c)を作るのにヒマワリ80本・16万個の種が必要になる。出来上がった油はオレイン酸やビタミンEを多く含み、コレステロール含有量はゼロで体に優しい油として人気がある。南光ひまわり館の梅内克敏館長(67)は「今後は、より多くの人にひまわり油の良さを伝えていくことが大事だと思っています。卓上油として手軽に味わえる使い方を知ってもらいたいですね」と話す。