「完熟したブルーベリーのおいしさは摘み取り園でしか味わえない」と話す篠山市八上の西田博一さん(40)。農園とブルーベリーのスイーツなどが楽しめるカフェ「futaba cafe」を妻と経営している。 関東ではブルーベリーの摘み取り園が多いが、関西では少ないことから、故郷の篠山で摘み取り体験農園を開くことを決意。5年前に東京での会社勤めを辞め、Uターンした。約30eのブルーベリー園には、18品種約650本が栽培されている。栽培方法は「バッグ栽培」。農地ではなく、土や養分の入ったバッグに植えることで、効率的に品質の良いものができる。「今年は日照時間も多く、甘味の強いものができたが、台風11号の影響で実が落ちて、収量が7割程度になったのが残念」と博一さん。そのため、毎年100人ほどが8月中ごろまで摘み取りできるが、今年は7月末で閉園せざるを得なくなった。カフェでは、妻の真紀子さん(43)と真紀子さんの妹の聖子さん(41)が手作りの天然酵母パンのほか、当日収穫した自家産野菜や地元野菜を使った3種類のランチを提供する。ブルーベリーを使った手作りケーキや米粉100%のロールケーキ、砂糖の使用量を極力抑えたブルーベリージャムも販売する。ブルーベリーに加え、米や野菜もおいしいと好評で、地元をはじめ、京阪神から足を運ぶ常連客も多く、週末は多くの人でにぎわっている。「現在は約600`を収穫しているが、今後は黒大豆の殻を培養土に活用する研究などを続け、収量を2dまで増やしたい。手間がかかっても、妥協しないものを提供できる生産者を目指したい」と博一さんは話す。