朝来市さのう高原で茶の栽培に取り組む池本晃市さん(37)。池本さんと地元茶農家2人で構成する八代茶生産者グループが栽培・加工する茶は「朝来みどり」と呼ばれ、香りが良いとの評判で、多くの人に喜ばれている。池本さんは伊丹市の市街地出身で、農業とは全く無縁だったが、高校生の時に「自然の中で仕事がしたい」との思いで、農業の道に進むことに。農業大学校での研修が縁になり、1999年、当時の八代茶生産組合に就農した。その後、高齢化により茶の栽培をやめる組合員が増え、池本さんが茶畑を引き継ぐことになった。現在は、標高約380bのさのう高原で2fを栽培する。生産組合に就農した当初は、伊丹市の両親に手伝ってもらうこともあったが、昨年から夫婦共同で作業することが多くなったという。農薬を使用せず有機肥料だけで栽培。一番茶の収穫期は5月の大型連休ごろ。7月初旬までに三番茶を収穫する。年間約1・5dを生産する。主な販売先は、市内の道の駅だが、個人で毎年購入する人も多いという。「リピーターの方の購入はうれしいですね」と池本さん。「朝来みどり」は、朝来市商工会が運営する市内特産物店「あさごもん」でも販売されている。煎茶以外に番茶や玄米茶、ハーブ緑茶、紅茶に加工するほか、丹波の黒大豆をブレンドした茶の開発にも取り組んでいて、研究に余念がない。同市商工会管理業務課の白山桂子さんは、「自然豊かなさのう高原で栽培された朝来みどりは、爽やかな風味と適度な苦味があり、おいしい緑茶です。ハーブ緑茶は、新しい発想で緑茶を楽しめます」と話す。池本さんは「今後は、いろいろなお茶の加工品を研究してみたい」と意欲を見せる。