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兵庫県農業共済組合連合会
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農業共済新聞(兵庫版)

【平成27年1月1週号】

■【西宮市】作業姿通じ子どもの興味育む

阪神間の地の利を生かした農業を行う西宮市の吉村毅さん(35)は、自宅近くの八百屋などに野菜を出荷し、購入者から好評を得ている。毅さんは会社勤めをしながら野菜の出荷などを手伝っていたが、両親の体調不良を機に6年前に就農した。しかし、栽培や出荷が計画通りに進むようになるまでは大変苦労したという。毎年、経験を積み重ね、品質の向上を図っていき、今では、3カ月先を見越して作業内容を組み立てられるようになった。また、住宅地に畑があるため、近隣の住民とは積極的にコミュニケーションを取り、農作業への理解を得ている。「自分で段取りをつけて計画的に栽培ができるのが農業の楽しいところ」と話す毅さん。就農後、夏場に収益を得ることができる野菜をと考え、同じ地区の先輩農家から栽培技術を教わり、トマトの半促成栽培にも取り組んでいる。「土質や環境が同じところで栽培している先輩農家は、経験豊富で適切なアドバイスがもらえる」と感謝する。地区内の同年代の若手農家とも交流を図りながら情報交換し、互いに切磋琢磨している。「近くに小学校があり、都会の子どもたちに農業を目にする機会を与えていると思います。私たちの作業風景を見て、『農業をしてみたい』と思う子どもが増え、農業が活性化するよう頑張っていきたい」と話す。

ダイコン菜を収穫する毅さん  

■【加西市】地域に恩返ししたい

「都会の会社で働いていたからこそ、自然の中で働く農業の良さが分かる」と話す、加西市の吉田さつきさん(40)。小・中学生の時には、両親が作るイチゴのパック詰めなどを手伝っていたが、進学を機に地元を離れた。しかし、自分の働きに対しての対価や達成感が得られる農業への思いが大きくなり、イチゴを栽培するため加西市に戻った。「地元に戻ってきて、あらためて環境の良さが分かった」と当時を振り返る。29歳のころには、さつきさんが主になりイチゴを栽培するようになった。軌道に乗るまでは手さぐり状態だったが、地域の先輩農家や普及員からのアドバイスを受けながら栽培技術を磨いた。ハウスの前でイチゴを直売しているので、購入者から「おいしかった」の一言が励みになる一方で、不具合も指摘してもらえるので次につなげている。イチゴの品質向上や作業の省力化に向けて試行錯誤しながら、自分を育ててくれた地元へいつか恩返しができればと考えている。「今、買いに来てくれる子どもたちが大人になったときに、『幼いころに食べていたイチゴが懐かしい』と、また立ち寄ってもらえるような、長く愛される農家になりたい」と目標を話す。

「赤く実ったイチゴに元気をもらう」とさつきさん

■【赤穂市】飼養頭数の倍増図る

乳牛を飼養する丸尾牧場の丸尾建治さん(32歳・赤穂市)は、飼養の効率化や牛乳を使用した6次産業化を図っている。建治さんは幼いころから牛舎で遊びながら父の作業姿を見て育ち、県内の酪農家に住み込みで働いて飼養技術を磨いた。乳牛は夏場の猛暑で食欲が落ちて乳量が減少するが、噴霧機や扇風機で温度を下げるなど、管理を徹底。餌も配合飼料を特別に作ってもらう他、牧草や稲発酵粗飼料用稲を自家栽培している。牛舎はフリーストール方式で牛が自由に動けるようにし、極力ストレスを与えない環境で飼養。堆肥は発酵促進剤で完熟発酵させているため、住宅の近くで散布しても臭わないと評判だ。このような取り組みの結果、搾った乳は近畿でベスト3に入賞するほどの品質を誇っている。今後は、良質な牛乳を使用したアイスクリームを外注で作り、試験販売を計画している。また、作業効率を上げるため、稲発酵粗飼料専用の収穫機械の導入も検討している。「生産コストが年々上がっているが、将来的には飼養頭数を倍にしたい。アイスクリームの売れ行きを見ながら本格的に6次産業化を目指しています」と意気込む。

良質な乳を生産する乳牛と建治さん  

■【香美町】全国共進会への出場目指す

削蹄師を20年間務め、弟子3人を指導しながら但馬牛を飼養する香美町の淀貴至さん(37)。削蹄師の師匠で父の弘さんに弟子入りした後、手伝いをしていたが、2004年ごろから本格的に飼養を始めた。その際には削蹄で県内各地の牛舎に出向いて作業した経験が役立ったという。それぞれの牛舎の良い所、悪い所、飼養方法などを見ることができ、良い所は持ち帰り自分の牛舎に生かしている。「立派な牛を育てるには、牛を観察する目が重要」と、共進会などに積極的に参加する貴至さん。「共進会は、県内の畜主が出品に合わせ最良の状態にした牛が多く集まり、牛を見る目を鍛えるには最高の場所」。自分の牛舎では、毎日1頭ずつ体を触り、蹄や毛艶などを見ることで体調を把握し、その日の牛の体調に合わせた餌を与えるなど、細心の注意を払う。新たな餌を試すなど日々研究しながら、より良い餌を与える努力を怠らない。「今後は肥育牛の頭数を増やし、餌や削蹄が枝肉にどのような影響を与えるか、いろいろ試しながら技術を磨いていく」と話す。「いつかは自分の牛が全国の共進会に出品できるようになりたい。自分の牛舎からではなくても、県の畜産農家が一丸となり、但馬牛が全国で上位入賞できるよう頑張っていきたい」と意気込む。貴至さんは若い畜産農家へ「自分の牛舎のことだけでなく、外に目を向けていろいろ学んでほしい」とアドバイスを送る。

県の共進会へ出品した「こうふく13」と貴至さん

■【南あわじ市】安心して働ける場に

淡路島でレタスやタマネギなどを栽培する南あわじ市の伊吹智則さん(35)は、「農業はやり方しだいで十分な収益を上げることができる」と話す。智則さんは大学を卒業後就農し、両親の農業を手伝っていたが、父の急な他界で後を継ぐことになった。現在、タマネギで県の認証食品に承認されるよう、農薬などの使用量の低減に努める。幼いころから父の作業姿を見てきたので作業内容は分かっていたものの、経営に関しては十分ではなかった。そこで、近所の野菜栽培の先輩たちや、関係機関との情報交換などを積極的に行い、いろいろな知識を習得していった。今では「伊吹さんちのたまねぎ」と印刷した箱でネット販売を始めるなど、独自の販売ルートを開拓。他の農家と差別化を図っている。今後もブランド化を進め、付加価値を高め、競争力を高める工夫をしたいという。「法人化を含め家族経営からの脱却を考えています。そうすることで、社会的信用を得られ、従業員の年金加入など福利厚生の充実が図れ、安心して働いてもらえます。将来、自分の子が『農業を継ぎたい』と言ってくれるような環境づくりに努めたい」と先を見据える。

圃場の管理をする智則さん
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