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家畜飼育アドバイス

獣医師からのアドバイス等

■これからの寒い時期に子牛をカゼから守ろう!!

生まれて間もない子牛は抵抗力も無く、外部環境からの病原菌に対して非常に感染し易いため、出生後少しでも早い時期に母牛の初乳を飲ませ免疫力を獲得させなければなりません。子牛が母牛の乳を飲むことにより栄養補給や病気に対する抵抗力が増し、健康な発育が期待できるからです。しかし、生まれて1ヵ月を過ぎた頃からは、これまで母牛の乳から摂取していた移行免疫が低下してくるため、子牛は自分自身の体力と抵抗力で病原菌と戦わなければならず、この頃から肺炎や下痢といった疾病が増加してゆきます。

そこで、前号でも紹介していますとおり、出生後1ヵ月を過ぎたころに、肺炎の予防を目的として牛5種混合生ワクチンを接種することをお勧めします。牛5種混合生ワクチンの内容は牛伝染性鼻気管炎(IBR)、牛ウィルス性下痢‐粘膜病(BVD)、パラインフルエンザ3型(PI3)、牛RSウィルス(RS)、牛アデノウィルス7型(AD7)の5種類の肺炎および下痢ウィルス感染症を予防してくれるワクチンです。

これまで、このワクチンはせり市出荷前(概ね8ヵ月齢)に1回だけ接種されていましたが、これはせり市後に肥育農家へ輸送する際の感染予防と、導入後の肺炎予防としての目的で実施されていたため、せり市出荷までの子牛生産農家での肺炎予防としては使われていませんでした。

このワクチンを使い、生後1ヵ月齢の子牛に接種してせり市出荷までの8ヵ月間の肺炎発生状況を調査したところ、ワクチン未接種牛は67頭中47頭(70.1%)の肺炎の発生を認めましたが、ワクチン接種牛は61頭中24頭(39.3%)の発生頭数でした。肺炎を発生した子牛について再発の状況をみると、ワクチン未接種牛は再発率が59.6%、ワクチン接種牛は12.5%となり、ワクチンを接種した子牛のほうが明らかに肺炎の発生、および再発の割合が低いという結果が認められました。

また、肺炎を治療した初診時期により治療経過に差がみられました。初診の治療日齢が早いほど治療期間が長引き慢性化となり、初診日齢が遅く、大きくなってから感染した牛では治療期間が短く、早く治癒する傾向にありました。

さらに、肺炎を発生した子牛が治療後、果たして順調な発育をしているかどうかを追跡調査してみました。肺炎が子牛の発育状況に及ぼす影響について、せり市出荷時の体重を測定してみたところ、肺炎発生牛は平均で雌202s、去勢216sでしたが、肺炎にかからなかった牛は平均で雌210s、去勢240sであり、肺炎に感染したことで増体割合が4〜10%程度悪くなっており、経済的な損失も大きいと思われました。

これらのことから、肺炎に感染した牛は早期で治癒しない場合、増体が悪くなり商品価値としても低下する傾向にあるので経済的損失は大きく、農家経営を圧迫してしまいます。しかし、なによりも肺炎にならないようにする事が大切であり、そのためには"予防"ということを一番に考えなくてはなりません。これからの寒い時期、牛舎内に肺炎が蔓延しないように、できるだけ早くワクチンを接種して健康で大きな子牛を育てて下さい。

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