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農業共済新聞 |
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兵庫県農業共済組合連合会
〒650-0011
神戸市中央区下山手通
4丁目15-3
TEL
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<会議室の予約先>
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家畜飼育アドバイス
獣医師からのアドバイス等
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■牛に快適な環境を提供してあげましょう!
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牛と人間の関わりは古く、その始まりは紀元前5000年にも遡ると言われています。はじめは役用として農耕の発展や運搬手段に重要な役割を担い、その後、乳、血液、肉の利用など牧畜産業のあゆみに欠かすことが出来ない存在として改良され、今日に至っています。
牛は元来、群で生活する動物です。その中にはボスを頂点とした順位が存在し、その一定の規律のもとに社会生活を営んでいます。そんな中にあって、弱いもの、身体の具合の悪いものに対しては他の仲間が助け合うなどということはないようです。それどころか現実はその逆で弱者は他のものから徹底的に虐め抜かれ、やがてはその群から脱落し倒れていきます。足手まといなものを早めに切り捨てることで天敵から身を守ろうとした、かれら草食獣が身につけた習性なのでしょう。このことは家畜となった現在でも日常的に見られます。肺炎や乳房炎で熱を出したり、ケト―ジスや肢痛で思うように餌や水が採れなかったりした場合、群飼下では仲間から孤立し「2〜3日前まで元気だったあの牛がどうして?」と目を疑う程の悲惨な状況に陥ってしまった症例に度々遭遇します。逆に早い時期にその変調に気付き速やかに個別管理をしてやることで見る見るうちに回復したという経験をお持ちの方も少なくないと思います。生産性を追及するあまり、牛の本来の姿を無視した改良を行なったり、不自然な環境のなかに置いたりと「人間の身勝手」を押し付けてきた結果、些細な原因からでも病気を患い、その回復のためには人間の手助けが必要不可欠となってしまったうしという名の家畜。畜主が助けたいと思う気持ちを無くしてしまえばその病気を治すことは出来ません。腕利きの獣医の良く効く注射や高価な薬よりも快適な環境を提供してやることの方が病気を治すためにはずっとずっと有効だと思います。あれ、おかしいな?と思ったら、繋ぎっぱなしにしたり、群の中に置き去りにするのではなく、ためらわずに個別飼いに出来る施設と心に余裕の備えを!……是非ともお願いします。 |
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