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農業共済新聞 |
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兵庫県農業共済組合連合会
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家畜飼育アドバイス
獣医師からのアドバイス等
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■分娩房はやっぱり大事!
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だんだんと暖かくなって、過ごしやすい季節がやってきましたが、皆さんの家の牛達の調子はいかがでしょうか。
ところで皆さんの牛舎には分娩房(産室)なるものがあるでしょうか。「当然ある」という農家さん、すばらしい(拍手)。「これから作ろうかな」という農家さん、ぜひ早く作っていただきたい。「そんなのない」また「必要ない」という農家さん、それは悲しい事です。牛達にとってお産は大変な大仕事であり、すごくストレスのかかる仕事なのです。またお産を上手く乗り切るか否かは経営上すごく重要な事です。そんなお産をスムーズに運ぶためには分娩房はなくてはならないものだと思います。酪農家さんの中には分娩後の起立不能で牛を泣く泣く出してしまったという経験をした事が一度や二度ではない人も数多くいらしゃると思います。その内の何例かは分娩房さえあればきっと救えたと思います。「でも先生、うちには分娩房を作るスペースなんかないよ」という人もいるかもしれません。そこで今回は繋ぎの一部を分娩房に改造した農家さんがいらっしゃいますので紹介したいと思います。(写真参照) |
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分娩房のスペースとしては10feet(3.05m)×10feet(3.05m)で分娩空間が13m3とれた清潔で十分な敷料を入れ、換気が良く安静な場所が理想です。今回の写真の分娩房は横(2.9m)×縦(3.9m)と横幅はやや狭いですが、分娩房としては十分だと思います。以前の繋ぎ2頭分を潰して分娩房に改造したため、パイプラインやウォーターカップもそのまま使えるので改造には半日もあれば十分だそうです。また材料は近所のホームセンターで調達でき、費用も約3万円ほどとリーゾナブルです。分娩房には畳を滑り止めとして敷いてあります。
この農家さんでは分娩房設置以来5頭お産しましたが今のところ事故無く経過しています。正直に言いますと、写真に写っている分娩房の中の牛はお産して起立不能となってしまいましたが、無事今では元気に歩き回っています。これでまた農家さんの儲けです!写真の中の牛も喜んでいるように見えるのは僕だけでしょうか?
確かに搾り2頭分のスペースを潰すのはもったいないという方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のように分娩房に置いておくことで、今まで出て行ってしまったかもしれない牛が、1頭助かるだけでも大きいと思います。また農家さん曰く、「分娩房にいたらへたっても、安心感が違う」ということでした。それは獣医師の立場からも言えることで、同じへたりの診療でも、繋ぎの中でへたるより、分娩房でへたったと聞いたほうが、安心感が違います。まず牛、そして自分、ついでにわれわれ獣医師のためにも是非分娩房の設置を検討してみて下さい。 |
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