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家畜飼育アドバイス

獣医師からのアドバイス等

■塩化カルシウムの利用で乳熱を予防しよう

乳牛の分娩直後に多い低カルシウム血症(乳熱)は、泌乳開始に伴い血液から乳房へ急激にカルシウムが失われた場合、消化管や骨からの補給が間に合わないことで起こります。症状は筋肉神経の機能障害で起立不能に陥ったり、難産・子宮脱・胎盤停滞の原因となります。また産後食欲が増加せず、乳熱が持続すると第胃変位やケトーシス・繁殖障害の誘因となります。そこで、酪農経営上極めて重要な乳熱の予防方法を当診療所管内で試験実施した結果、塩化カルシウム投与の有効性が確認されました。

しかし、塩化カルシウムは強アルカリで塩辛く、刺激性・腐食性が強いため、高濃度液をそのまま経口投与することは困難です。そこで以前から経口補液・薬剤投与に使用していたバスポンプ(風呂の湯を洗濯機に汲むポンプ)を利用し、農家に経口カテーテルの挿入法を指導しています。

塩化カルシウムは食品添加用を利用し極めて安価なうえ、ポンプも5千円程度で購入できます。実際の基本的な投与法は、分娩兆候が現れたら200gを水20〜40lに溶解し、プロピレングリコール500mlとともに投与します。さらに12時間後100g投与し、翌日、翌々日に100gずつ合計500g投与します。これにより乳熱の発生は激減し、分娩時の陣痛が強くなり分娩時間が短縮、胎盤排出が速く産褥熱の発生も減りました。また子宮脱も現在発生していません。当初、カテーテルの挿入に不安を覚えた農家も、2〜3回の投与で簡便かつ安全な方法であることが理解できたようです。いまでは胃腸薬・消化剤・栄養剤などの経口投与にも利用されています。

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